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金属材料

METAL MATERIAL

シームレス鋼管(冷間仕上)

シームレス鋼管(冷間仕上)

「脱炭素」とシームレス鋼管

機械の構造部品に使われる「鋼管」と聞いて、大部分の方が思い浮かべるのは「電縫管」(鋼板を管状に丸めて継目を溶接して製造された電気抵抗溶接鋼管)ではないでしょうか?溶接技術が優れた日本では、溶接性の悪い材質や肉厚の鋼管でも、この電縫管が普及しています。

自動車業界は電動化を推進し、航続距離延長のために車体の軽量化に取り組んでいます。そのひとつの切り札が「部品の中空化」であり、次世代はまさに鋼管の時代なのです。しかし中空部品の強度保証のため、材質に構造用合金鋼が使用されたり、電縫管の限界を超えた肉厚が求められたりします。

材質や寸法を自由に選択でき、後工程でのドリル加工(コストアップ、スクラップ発生)も不要な「シームレス鋼管」(継目無し鋼管)が、自動車業界百年に一度の変革期で、幅広い開発者・技術者の注目を集めています。

そもそも「シームレス鋼管」とは

製鋼メーカーで製造された棒鋼(ビレット)を加熱し、1,000℃を超える高温状態で、その中心に工具を押し込んでいくと、ビレットは中空のパイプ状となりながら、工具の進入方法と逆の方向に伸びていきます。

日本でもシームレス鋼管は改善された製法により、石油・天然ガスの掘削や発電所のボイラーチューブ用途として生産されていますが、自動車部品用途として広く普及しているとは言えないのが現状です。電縫管が苦手な中高炭素鋼や合金鋼など材質や肉厚をある程度自由に選択することができ、かつ、そもそも継目が無いため、鋼管を切断した断面全周で硬度や強度の差異が無く、過酷で均一な後加工にも耐えられる材料であるにもかかわらず、です。もったいないと思うのは私たちだけでしょうか?

中国シームレス鋼管冷間加工の
最前線

一方、中国では「鋼管=シームレス鋼管」でした。全世界の過半数を占める中国製シームレス鋼管が、厳しい品質が求められる自動車部品用途として選ばれてこなかった背景には、「偏肉」「表面品質」「脱炭」「シームレスのはずなのに割れが…」などの技術・品質的要因の他、「思ったほどコストダウン効果が上がらない」という経営的要因も見逃せません。これらを抜本的に解決する二次加工として「コールドピルガー冷間圧延」が近年注目されており、ようやく中国製シームレス鋼管が日系自動車部品用途として認識され始めています。

 

  1. 内径側金型=芯金(マンドレル)
  2. 外径側金型=ローリングダイス
  3. コールドピルガー加工機のフレーム
  4. 芯金を押すプッシャー

安く安全に中国製シームレス鋼管を使いこなすために

しかし、このコールドピルガーも万能ではなく、「求められる寸法」「需要量」「後加工の種類」に応じて、コールドピルガー冷間圧延と冷間引抜を組み合わせたり、適切な熱処理を加えたり、と最適な工程設計を行うことが、シームレス鋼管を安く、そして安全にお使いいただく上での鍵となります。私たちは、お客様の意図や設計をきちんと理解した上で、材料メーカーと一緒に工程設計を行います。もちろんパートナーは長年信頼関係を築いてきた専業メーカーですので「中国サプライヤーとの取引はちょっと…」という不安も私たちにお任せください。

「鍛造素形材=シームレス鋼管」という新たな選択

また、部品軽量化の中で中空部品は大幅に増加しています。「はじめから穴の空いた材料を鍛造できないか?」実際にシームレス鋼管を使った冷間鍛造を推進してきた私たちにぜひご相談ください。

 

【シームレス鋼管を使った冷間鍛造】